新たなるファイレクシアの登場によって感染の有り方が変わった。
今まで毒と通常ダメージは個別のベクトルで水と油のように戦略が交わらないものだった。

ミラディン包囲戦以前はその両方のダメージソースを1つのデッキに用いる事は原則よろしくないとされていて「30点削るデッキ」等と完成度の低いデッキとして揶揄されていた。(個人的見解ではちょっと違うが概ね賛成である。因みに「30点削るデッキ」では表現が美しくない為「(毒とダメージの)ダブルスタンダードデッキ」と言っていた。)

確かに毒を9個与えても、それ以上毒を与える(増やす)リソースがデッキ内に含まれていない場合それまでの戦略(毒で殺す)を放棄する事になり今までの苦労が徒労に終わるからだ。

勿論毒・ダメージ両方で攻められれば勝ち手段がそれだけ増えるというわけだから強そうに聞こえるが、現実問題としてデッキがまとまりに欠け器用貧乏に陥りやすい。

新たなるファイレクシアで感染の有り方が変わった。
幾つかのカードは毒を与える事によって性能が変わる(制限解除)カードが登場したのだ。

これらのカードの登場によって(10点の毒殺じゃなくても)毒を与える意味というものが生まれた。毒の有無を参照するカードの真価は毒を得ている状態だと言える。(《堕落した決意/Corrupted Resolve(NPH)》がもっとも分かりやすい。)誤解を恐れずにいうのであれば《ヴィリジアンの背信者/Viridian Betrayers(NPH)》は原則《感染》向きのカードという事になる。

だからと言ってNPH-MBS-SOM環境では最初から毒を主軸にしたデッキは組みにくく毒の恩恵を受けるカードが出現するのは最初の1パックしか存在しない。(そもそもMBSの頃からアーキタイプの決め打ちがし辛くなってきた)また感染テンポビートは自分のもっともドラフトを苦手とするアーキタイプなのでココでは触れず、比較的狙って構築できるNNN環境に焦点を当てて考察していこうと思う。

コモンのニューカマー
もっとも毒を与えやすいカードは何かといえば《荒廃の工作員/Blighted Agent(NPH)》だろう。2マナという軽さ「ブロックされない」という回避能力は新たなる《疫病のとげ刺し/Plague Stinger(SOM)》だ。

当然NNNでは《荒廃の工作員/Blighted Agent(NPH)》を有する青を主軸にして色の組み合わせでどういったメリットを得るのか見ていく事になる。


・制限解除カード 2枚-C(1)-U(1)
《つながれた喉首追い/Chained Throatseeker(NPH)》《堕落した決意/Corrupted Resolve(NPH)》

・感染クリーチャー 3枚-C(2)-U(1)
《荒廃の工作員/Blighted Agent(NPH)》《つながれた喉首追い/Chained Throatseeker(NPH)》《病毒のドレイク/Viral Drake(NPH)》

・増殖 2枚-U(2)
《テゼレットの計略/Tezzeret’s Gambit(NPH)》《病毒のドレイク/Viral Drake(NPH)》

・コンバットトリック・サポート 6枚-C(3)-U(3)
《霊気の武装/Arm with AEther(NPH)》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》《心理の障壁/Psychic Barrier(NPH)》《蒸気の絡みつき/Vapor Snag(NPH)》《無感覚の投薬/Numbing Dose(NPH)》《堕落した決意/Corrupted Resolve(NPH)》

総評
コモンの感染クリーチャーは2体のみだが、両方ともハイスペックである。ハイスペックにも関わらず青の他の生物が使いやすい為点数が低い事がピックの狙い目。足りないマナ域の感染クリーチャーの補充が最重要課題、2色目を選ぶ段階で考慮にいれる事。



+白
・制限解除カード 0枚
無し

・感染クリーチャー 2枚-C(2)
《敗残のレオニン/Lost Leonin(NPH)》、《金切り声の猛禽/Shriek Raptor(NPH)》

・増殖 0枚
無し

・コンバットトリック・サポート 2枚-C(2)
《使徒の祝福/Apostle’s Blessing(NPH)》、《まばゆい魂喰い/Blinding Souleater(NPH)》

・総評
2マナ域で追加の感染持ちが居る事は嬉しいが「毒を与える事の恩恵」が存在せずこれといった強みが見当たらない。肝心の《使徒の祝福/Apostle’s Blessing(NPH)》は白でなくても使えるという悲しみを背負う。

白と組むのは得策ではない。

+黒
・制限解除カード 1枚-U(1)
《囁く死霊/Whispering Specter(NPH)》

・感染クリーチャー 4枚-C(2)-U(2)
《シェオルドレッドの刈り取るもの/Reaper of Sheoldred(NPH)》《毒の屍賊/Toxic Nim(NPH)》《囁く死霊/Whispering Specter(NPH)》《黒死病の魂喰い/Pestilent Souleater(NPH)》

・増殖 1枚-C(1)
《不気味な苦悩/Grim Affliction(NPH)》

・コンバットトリック・サポート 11枚-C(4)-U(4)-R(3)
《ファイレクシアの愛撫/Caress of Phyrexia(NPH)》《四肢切断/Dismember(NPH)》《隷属/Enslave(NPH)》《ゲスの評決/Geth’s Verdict(NPH)》《ぎらつく油/Glistening Oil(NPH)》《不気味な苦悩/Grim Affliction(NPH)》《胆液の爆発/Ichor Explosion(NPH)》《生命の終焉/Life’s Finale(NPH)》《髄掘り/Pith Driller(NPH)》《寄生的移植/Parasitic Implant(NPH)》《鞭打ち悶え/Lashwrithe(NPH)》

・総評
SOM,MBSのイメージからか黒=感染という感じだったが意外にも感染クリーチャーは少ない。コモンに限って言えば(純粋な黒は)1枚しか存在せず白にも劣る枚数である。感染持ちが兎に角重たい。ただその不足分を補う余り有る除去が存在するので除去色として扱えば間違いは無い。増殖=除去に繋がる点も高評価。

黒は除去がメイン。除去人気が集中しやすいので逃げ込むアーキタイプとして得策ではない。


+赤
・制限解除カード 0枚
無し

・感染クリーチャー 3枚-C(2)-U(1)
《堕ちたる鉄術士/Fallen Ferromancer(NPH)》《オーガの使用人/Ogre Menial(NPH)》《剃刀の豚/Razor Swine(NPH)》

・増殖 1枚-C(1)
《電位の負荷/Volt Charge(NPH)》

・コンバットトリック・サポート 11枚-C(4)-U(6)-MR(1)
《攻撃的な行動/Act of Aggression(NPH)》《石弾化/Artillerize(NPH)》《はらわた撃ち/Gut Shot(NPH)》《無情な侵略/Ruthless Invasion(NPH)》《責め苦の総督/Tormentor Exarch(NPH)》《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》《勝利の破壊/Victorious Destruction(NPH)》《電位の負荷/Volt Charge(NPH)》《鞭打ち炎/Whipflare(NPH)》《堕ちたる鉄術士/Fallen Ferromancer(NPH)》《燃え上がる憤怒の祭殿/Shrine of Burning Rage(NPH)》

・総評
感染持ちは3枚しかおらず多いとは言えないが青に足りなかった3マナ域4マナ域が補充できる事は非常に評価できる。また待望の感染ティムの登場により盤面が膠着しても勝ちに行ける。黒と同じく増殖=除去になってる点も良い。黒に比べ確定除去は少ないがその分小回りが利くなど使いやすいスペルは多い。


+緑
・制限解除カード 3枚-C(1)-U(1)-R(1)
《マイコシンスの悪鬼/Mycosynth Fiend(NPH)》《ファイレクシアの群れの王/Phyrexian Swarmlord(NPH)》《ヴィリジアンの背信者/Viridian Betrayers(NPH)》

・感染クリーチャー 4枚-C(2)-U(1)-R(1)
《ぎらつかせのエルフ/Glistener Elf(NPH)》《ファイレクシアの群れの王/Phyrexian Swarmlord(NPH)》《脊柱噛み/Spinebiter(NPH)》《ヴィリジアンの背信者/Viridian Betrayers(NPH)》

・増殖 0枚
無し

・コンバットトリック・サポート 5枚-C(3)-U(2)
《内にいる獣/Beast Within(NPH)》《グリッサの嘲笑/Glissa’s Scorn(NPH)》《血吸いの噛み付き/Leeching Bite(NPH)》《変異原性の成長/Mutagenic Growth(NPH)》《大軍の功績/Triumph of the Hordes(NPH)》

・総評
枚数自体は多いとは言えないが低~中~高コストとバランスよくクリーチャーが揃っている。感染クリーチャーのダメージを素直に通す事のできるジャイグロ系があるのが一番のポイント。能力解除で一番メリットが強い《ファイレクシアの群れの王/Phyrexian Swarmlord(NPH)》がある色でもある。


コメント

四日市
2011年5月31日19:47

非常に参考になる記事でしたので、リンクさせて頂きました。

リアルNNNドラフトですと、ソートのせいか、同じコモンが6枚も7枚も出たり、1枚も出ないということが多いように思いますね。

D
2011年6月1日10:36

四日市さん↓
こんにちわ。ソート・・・というよりソートが上手く機能していない(信頼性に乏しい)と表現した方がいいかもしれませんね、そのせいで偏りが色濃く出てしまうようで。

こちらもリンクさせて頂きました。

nophoto
Judy
2011年9月29日1:53

If I communicated I could thank you enuogh for this, I’d be lying.

nophoto
Margaretta
2011年10月1日12:33

Yeah that’s what I’m taklnig about baby--nice work!
D

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